JALが子会社として立ち上げた日本初の国際線LCC「ZIPAIR」。
燃油サーチャージが無いシンプルで安価な運賃で海外に行けるとあって注目されている航空会社です。
北米への路線拡大も進んで存在感が出てきたところでJALマイラーが気になることは、
JALマイルでZIPAIRに乗れるのか?
ということですね。
JALマイルでZIPAIRに乗る方法と、その有用性を解説します。
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ZIPAIRってどんな航空会社?
ZIPAIRは、JALが国際線の中長距離路線を格安で提供する目的で設立し、2020年10月に運行を開始した国際線LCC(Low Cost Carrier)です。
成田空港を拠点として、東南アジア、韓国、ハワイ、北米の10都市に就航(2024年10月現在)しており、将来的には欧州路線の開設も視野に入れつつ着実にネットワークを広げています。
2021年の成田〜ロサンゼルス路線開設では、世界で初めて太平洋を横断してアジア圏と北米本土を直接結んだLCCとして話題を呼びましたが、LCCで行くヨーロッパが実現する日も、そう遠くは無いかも知れません。
「LCCなんて大丈夫?」
「国内線ならまだしも国際線で長く乗るのに座席が狭いとか無理なんだけど。」
と心配になる人もいるかも知れませんが、ZIPAIRは快適な空の旅の提供とコストパフォーマンスを重視している航空会社なので心配ありません。
ZIPAIRのエコノミークラスはフルサービスキャリア並みのシートピッチ
ZIPAIRで使用されている機材は、国際線の主力機として多くの航空会社で採用されているボーイング787です。
座席数は約290席。運賃を軽減するためにフルサービスキャリアに比べて座席数が多くなっていますが、通常だと4つあるギャレーを3つに削減して座席ピッチを確保する工夫がされています。
座席クラスは、Standard Seat(エコノミークラス)とZIP Full Flat(ビジネスクラス)の2つ。
ZIP Full Flatのシートは一般的なビジネスクラスシートと同様にフルフラットになるので、ぐっすり眠りながらハワイや北米に飛ぶこともできます。
気になるエコノミークラス(Standard Seat)のシートピッチは79cm(31インチ)。さすがにJAL SKY WIDERで定評があるJALには敵わないものの、ANAとは同等のシートピッチなので特に狭いということはありません。
B787-8 | シートピッチ |
---|---|
ZIPAIR | 79cm |
JAL | 84cm |
ANA | 79cm |
LCCなので機内サービスは最低限になっています。ビジネスクラスの機内サービスもエコノミークラスと同じなので、クラスによる違いはシートの違いだけです。
- 座席の個人モニター無し
- 毛布やアイマスクなどのアメニティは無し
- 機内食と飲み物は有料
- 機内販売あり(免税品やオリジナルグッズ)
- 無料インターネットサービスあり
- 機内エンターテイメントは自分の端末で楽しめる
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ZIPAIRはエコノミークラスを含む全席でWiFiインターネット接続が無料
エコノミークラスを含む全座席でWiFiインターネット接続が無料なのは嬉しいところ。JALやANAでも無料化が進んでいますが、まだ全座席クラスでとはいきません。
ビジネスクラスも含めて座席の個人用モニターは有りませんが、自分のスマホやタブレットで映画などの動画コンテンツを楽しんだり、好きな時に機内販売を注文できるようになっているので、長時間のフライトでも退屈することは無いでしょう。
夜発朝着になるハワイへの往路なら機内食をパスしてぐっすり眠りたい人もいるでしょうから、機内食が有料オプションになっている方がむしろ合理的かも知れません。
私は、無料インターネットと機内エンターテイメントサービスがあれば十分です(^ ^)
ZIPAIRは燃油サーチャージ無しで運賃が安い
LCCなので運賃が安いのは当たり前。それに加えて、ZIPAIRは燃油サーチャージ無しです。
運賃は空席状況で価格が変動する仕組みで、それぞれの行き先の最低価格(片道。諸税や空港使用料などの諸経費を含む)は以下の通り。
行き先 | ZIP Full Flat | Standard | U6 Standard |
---|---|---|---|
ソウル | 29,010円〜 | 12,010円〜 | 5,790円(定額) |
マニラ | 49,000円~ | 18,000円~ | 8,000円(定額) |
バンコク | 84,240円~ | 21,000円~ | 8,000円(定額) |
シンガポール | 62,810円〜 | 18,710円~ | 7,790円(定額) |
ホノルル | 79,000円~ | 30,000円~ | 16,000円(定額) |
バンクーバー | 200,000円〜 | 33,175円〜 | 10,000円(定額) |
サンフランシスコ | 200,000円~ | 53,000円~ | 19,000円(定額) |
サンノゼ | 197,000円~ | 50,000円~ | 19,000円(定額) |
ロサンゼルス | 190,000円~ | 47,000円~ | 19,000円(定額) |
ヒューストン | 225,000円〜 | 66,000円〜 | 24,000円(定額) |
この運賃には、機内持込手荷物7kg分が含まれていますが、機内食と手荷物の預入、事前座席指定は含まれず、有料のオプションとなっています。
⭕️ 機内持込手荷物7kg分(無料)
❌ 機内食(有料)
❌ 預け入手荷物(有料)
❌ 事前座席指定(有料)
参考 予約・運賃について
ZIPAIRは6歳以下の子供料金U6 Standardが定額で安い
ZIPAIRの運賃で特徴的なのが、6歳以下の運賃が定額制で安いこと。
0〜6歳はU6 Standardという料金区分になり、大人運賃(Standard)の最低価格の約30〜50%程度の設定になっています。しかも定額なので変動がありません。大人運賃が高くなっている時でも同じ運賃で乗れます。
JALの場合は、2歳以上12歳未満で大人運賃の75%設定なので、それと比較すると、とても安いです。
また、必ず大人1名と隣同士の座席を確保してもらえて、その事前座席指定は無料。2歳未満にはBaby Safety Seat(チャイルドシート)が用意されるので安心です。
ZIPAIRは子供連れに優しい航空会社ですね。
ちなみに、ZIP Full Flatは7歳以上が利用可能なのでU6運賃の設定はありません。
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ZIPAIRはJALと比較してどのくらい安いのか?
ZIPAIRもJALも空席状況などによって運賃が変動するので、正確に比較するのは難しいのですが、ZIPAIRの運賃が比較的安い日程でJALと運賃を比較してみました。
ZIPAIRの運賃には、事前座席指定、受託手荷物1個(30kg)、機内食の有料オプションを加えています。
サンプル1 東京(成田)ー ロサンゼルスのエコノミークラス往復(2024年11月22〜11月27日)
JALが262,390円、ZIPAIRが120,489円で、ZIPAIRの方が約54%安い半額以下の結果となりました。
サンプル2 東京(成田)ー シンガポールのエコノミークラス往復(2025年1月15日〜1月18日)
JALが118,830円、ZIPAIRが77,317円で、ZIPAIRの方が約35%安い結果となりました。
JALの運賃には、ロサンゼルス往復が70,000円、シンガポール往復が37,000円の燃油サーチャージが含まれているので、その差が大きいです。
JALマイルでZIPAIRに乗る方法
JALマイルをZIPAIRポイントに交換してZIPAIRの航空券を購入することができます。
- ZIPAIR Point Clubに会員登録(無料)する
- ZIPAIR Point ClubにJALマイレージバンク(JMB)会員番号を紐付け登録する
- JALマイルをZIPAIRポイントに交換する
- ZIPAIRポイントでZIPAIRの航空券を買う
ZIPAIRの公式WebページからZIPAIR Point Clubに会員登録(無料)すると、ZIPAIRポイントをためる・使うことが出来るようになるので、まずはZIPAIR Point Clubに会員登録しましょう。
ZIPAIR Point Clubには年会費無料の登録の他に、年会費5,000円の「ZIPAIR PointClub Plus」がありますが、今のところPlusの特典は受託手荷物料金が30%割引になるだけなので、頻繁にZIPAIRに乗る人以外は不要かと思います。
名称 | 年会費 | サービス内容 |
---|---|---|
ZIPAIR Point Club | 無料 | ZIPAIRポイントの獲得、利用 |
ZIPAIR Point Club Plus | 5,000円(不課税) | ・ZIPAIRポイントの獲得、利用 ・受託手荷物料金の30%割引 |
- ZIPAIR Point Club(無料)登録で100ポイント
- ZIPAIR Point Club Plus(有料)登録で1,000ポイント
- ZIPAIRスマホアプリダウンロード及びアプリでの初回ログインで100ポイント
上記のアクションでそれぞれZIPAIRポイントがもらえるので、まずは無料会員&スマホアプリからログインでサクッと200ポイントもらっておきましょう。
現時点ではZIPAIRの航空券購入やフライト(搭乗)でポイントが貯まる仕組みは無く、今のところはJALマイルかPontaポイントからの交換でしか貯められません。
ZIPAIRポイントは、1ポイント1円相当でZIPAIRの航空券購入やオプショナルサービスの支払いなどに使え、有効期間は獲得から1年間です。
- ZIPAIR航空券(各種諸税含む)
- 各種オプショナルサービス
- 機内販売
- ZIPAIR Point Club Plus年会費
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JALマイルとZIPAIRポイントは相互交換できる
ZIPAIR Point Clubに登録して、マイページJALマイレージバンク(JMB)との紐付け登録をすると、ZIPAIRポイントとJALマイルを相互に交換できるようになります。
交換申し込みはZIPAIR Webサイトから行い、申し込み後、即時で交換されます。
JALマイルからZIPAIRポイントへ交換
3,000マイル、5,000マイル、10,000マイルの3つの単位の組み合わせで交換できます。
例)3,000マイル×1 + 5,000マイル×1 + 10,000マイル×1 = 18,000マイルを交換
⇒ 10,000マイル×1.5 + 8,000マイル×1.0 = 23,000ポイントになる
- 10,000マイル単位:1マイル→1.5ポイント
- 5,000マイル単位:1マイル→1ポイント
- 3,000マイル単位:1マイル→1ポイント
10,000マイル単位で交換するとレートが1.5倍になるので、できる限り10,000マイル単位で交換することをおすすめします。
交換したZIPAIRポイントでZIPAIRの航空券を買えば、JALマイルでZIPAIRに乗れることになります。
ZIPAIRポイントからJALマイルへ交換
最低2ポイントから、2ポイント単位で交換できます。
2ポイント=1マイル
現時点ではZIPAIRポイントを貯める方法がJALマイルからの移行以外に無いので、この交換をする機会はほとんど無さそうです。
ZIPAIR Point Club登録とスマホアプリ初回ログインでもらえる200ポイントは有効期限が1年なので、期限切れの前にJALマイルに交換しておくと良いでしょう。
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ZIPAIRポイント交換を利用して有効期限が切れそうなJALマイルを75%で延命できる
期限が切れそうなJALマイルを、
JALマイル → ZIPAIRポイント → JALマイル
と交換することでマイルの有効期限を3年間伸ばすことができます。
75%に目減りしますが有効期限を3年伸ばせるなら悪くは無いと思います。
本来の想定された使い方じゃ無いとは思いますが、JALマイルの有効期限が切れそうな時に役に立つので、覚えておきましょう。
JALマイルをZIPAIRポイントに交換するのは有用なのか?やる価値ある?
JALマイルでZIPAIRに乗れるのは分かったけど、せっかく貯めたJALマイルを有用に使えなければ意味がありません。
そこで、JALマイルで特典航空券に交換するのと、JALマイルをZIPAIRポイントに交換してZIPAIRの航空券を買うのを比較して、その有用性を考えてみました。
JAL特典航空券が基本マイル数で予約できる日程で、ZIPAIRの運賃には事前座席指定、受託手荷物1個(30kg)、機内食の有料オプションを加えて比較しています。
サンプル1 東京(成田)ー サンフランシスコのエコノミークラス往復(2024年11月18〜12月2日)
JAL特典が50,000マイル+85,700円。
ZIPAIRは133,331円で、50,000マイルをZIPAIRポイントに交換して充当すると、
133,331円ー75,000P=58,331円、
つまり、ZIPAIRは50,000マイル+58,331円。
マイル以外にかかる持ち出しの費用で比較すると、JALマイルをZIPAIRポイントに交換した方が27,369円少なくて済むという結果。
1人あたり3万円近く変わってくると、例えば家族4人なら12万円くらいになるので、コストを抑えるのが最優先なら有用と言えそうです。
サンプル2 東京 ー ソウルのエコノミークラス往復(2024年12月19〜12月25日)
JAL特典は羽田空港発着です。
JAL特典が15,000マイル+15,830円。
サンプル1と同じように計算すると、
ZIPAIRは15,000マイル+13,990円。
JALマイルをZIPAIRポイントに交換した方が1,840円少なくて済むという結果ですが、これくらいの差ならフルサービスを受けられるJALを選びますよね。
色々と検索して2つのサンプルを掲載しましたが、JAL特典の必要マイル数もZIPAIR運賃も空席状況などによって常に変化しているので、比較して有用性を検証するのは難しいと感じました。
ZIPAIRはLCCで、しかも燃油サーチャージ無しで運賃が安いので、JAL特典と比較して持ち出し費用が少なく済むのは当然の結果かもしれません。
目的地に少しでも安いコスト(持ち出し)で行きたい場合には、JALマイルをZIPAIRポイントに交換してZIPAIRに乗る選択はありだと思います。
その一方で、1マイルの価値をできるだけ高く消費したいという場合には有用では無いと思います。
一般的にはJALの1マイルの価値は2円程度と考えられていますが、JALマイルをZIPAIRポイントに交換すると1マイル=1.5円で消費することになります。また、JALや提携航空会社の国際線特典航空券のビジネスクラスに交換すれば1マイル=5〜8円程度になる可能性があるので、そうした方がはるかに有用です。
結局、人それぞれの価値観しだい、ということになるのですが、特典航空券が思うように確保できない場合の代替手段として知っておけば、JALマイル活用の幅が広がります。
旅費を節約したいならマイルを貯めよう!|1マイルの価値は1円じゃない、JALマイルに秘められた本当の価値が凄い!マイルを活用してお得に旅行したい!
世の中には知らないことがたくさんあります。
私にとっては「マイルの魅力」もそのひとつでした。
マイルに出会うことが無かったら、ビジネスクラスでハワイに家族旅行するなんてことも無かったことでしょう。
これからもマイルやクレジットカードのことを勉強して、家族との旅行をお得に楽しみたいと思います!
このサイト「マイルトリッぷらす」ではJALマイルを中心に、マイルやクレカなどの旅行に役立つ情報を発信していますので、よろしければまたお越しください。
最後までお読みくださり、ありがとうございます!
特典航空券に交換できるほどの大量のマイルってどうやって貯めれば良いの?という人は、まずはこちらの記事から読んでみてください。